Z.O.Cの渦。

最近は少し落ち着いた状況。

周りのシングルだった友人たちに相次いでパートナーが出来て、みんなも心に余裕があるようだ。
そんな友人達は薄々僕の気持ちに気づいていて、ことあるごとに「今日は彼女なにしてるの?」なんて聞いてくる。
僕は大体彼女の予定を把握しているので、「まだ仕事中だから、あとから来るかも」なんて答えることが多い。

先日、ちょっと意外なことがあった。
友人の中でも性格のきつい女子『S』は、彼女とも旦那ともそれなりに仲が良い。
直接ではないが、僕のことについてSが色々とダメ出ししているのは知っていた。
よく飲みにきていることや、いい恋愛をしていないことについて・・・。
本人も僕に伝わっていることは承知しているし、何より、そこまで本気で言っているわけでもないのだろうけど。
そんなSが酔っ払って「彼女まだ仕事?メールしてみなよ、こういう時こそちゃんと声かけなきゃ!」と、僕を応援するような素振りを見せた。
その台詞を思い出すと、僕はにやけてしまう。
彼女は真面目な性格なので、僕の気持ちを許容してくれるなんて思いもしなかった。
面白半分で言っているだけかもしれないけど、それでも嬉しかった。
決して許されない気持ちを抱え続けていることに疲れているのかもしれない。誰でもいいから認めて欲しい、許して欲しいのだろう。

別の友人には、「あの夫婦まだ離婚しないの?」なんて聞かれたこともあるけど・・・残念ながらそれはなさそうだ。

ただ、それほどうまく行っているというわけでもないようで。
前にも書いたが、(恐らくは僕のことが遠因で)夜遅く部屋に帰った途端に激しく怒られたことがあったようだ。
それを引き合いに出して、「子どもを産んでも育てる自信がない。彼も急にキレたりするし、子どもがかわいそう」なんて言いだしたりする。
彼女は、いくら遅く帰っても、いくら他の人と飲みに行っても、いくら放っておいてもキレたりしない旦那が自慢だった。
それだけに、急に叱責されたのがショックだったのだろう。

ちょっと前、彼女が酔って電話してきたとき。
酔ってるし眠いしでバッグの中の鍵も探せない状態で、マンションのエントランスで電話したまま寝てしまった。
文字通り急いで駆けつけ、鍵を探しだし、なんとか立たせたところで旦那から着信があった。
ふらふらしながらぶっきらぼうに「あ、そう。もう帰ってきちゃったよ。じゃあね。」と電話を切ったあと、僕にくれた感謝の言葉は、それよりはるかに温かいものだった。
彼女が困っているとき、駆けつけたのは旦那ではなく、僕。

ゆうべも電話がきた。
駅からの帰り道らしく、徒然に話しながらコンビニに寄って無駄遣いしているところを実況してみたり、本当に他愛の無い会話をしながら、彼女がマンションに入るまで電話を繋ぎ続けた。
酔っているわけではないようだったけど、いつもより気安い口調。疲れた疲れたと言うわりに、その言葉は楽しそうだった。
子どもみたいに話す彼女がかわいくて、電話越しにずっとにやけていた。

そんな小さな幸せに浸りながら、僕は僕のコントロールできる範囲でがんばっている。