すれ違い。

前回のエントリーで「リアルに追いついた」なんて書いたけど、ひとつ書き忘れてたことに気付きました。
最初の頃("きっかけ"のエントリー)に「自分が結婚してるってことを知らない人には、積極的に教えないでください」みたいなことを言われたことがあるって書いた。
これが元でちょっとした問題があった。

僕の部屋でバンドメンバーたちと鍋パーティをしたときのこと。
深夜1時くらいだったか、鍋が終わってみんなが帰ったあと、途中まで帰っていった彼女を電話で呼び戻した。
二人で飲み直そうって言って戻らせたんだけど、彼女はかなり眠そうで、何をするでもなくそのまま二人で布団にもぐりこんだ。そして、彼女の背中を抱きながらポツポツとした会話を続けてた。

実はちょっと前から気になることがあって、軽く話を振ってみた。
バンドメンバーの一人(A君とする)が、どうも彼女のことをお気に入りみたい。
鍋パの間も頻繁に彼女を気遣っていて、帰りがけには一緒に帰りたそうな顔をしていた。
何度も書くけど、バンドメンバーは(一応)彼女が既婚者だってことを知らない。
もう一人のギター(B君とする)は、鍋パのときに結婚の話を振ってきたりして、もしかして薄々勘付いてるんじゃないかなぁと思っていたけど、A君は純粋な男なので気づいてはいなかっただろう。
彼女本人もA君の振舞いに何がしかを感じていたらしく、それまでの眠そうな表情が吹き飛んでしまい、やっぱりそう思うでしょ、どうしたらいいかわからない、とリアルに頭を抱え初めてしまった。
A君と彼女は、意外なことに二人だけになったことがほとんどないらしい。
いつもメンバーの誰かと一緒だったので、「まだ二人きりで出かけようって誘われてないから大丈夫だよね」なんて言っていた。

正直なところ、僕も同じような立場なのでなんとアドバイスしていいかわからなかった。
とりあえず気を付けておいた方がいいかもね、なんてことしか言えなくて歯がゆい。
立場が微妙ってことで言えない言葉が多いなぁと、改めて実感した。


で、その翌日。

昼間、彼女から電話がきた。
何かと思えば…A君に二人で朝食を食べようと誘われたそうだ。
昨日の今日でそれってタイミングいいね、なんて冗談めかして言ってみたけど、彼女にとってはそれどころじゃなかったみたい。
どうしようどうしようの連発で、オロオロしていた。
結局朝は忙しいので夜にしようという話になったらしく、翌日の夜にA君おすすめのカフェに行くことになったようだ。

その晩はまたも酔い潰れてしまった彼女を部屋まで送り、次の日が日曜日だったので、僕もそのまま彼女の部屋のリビングで寝てしまった。
で、A君の誘いを断っておきながら二人で朝食へ出かけてしまい、若干の罪悪感と同時にちょっとだけ優越感に浸っている自分がいて、少しだけ反省した。

その日は夕方までいくつかやることがあった(彼女に頼まれてお手伝いしてた)ので、二人で作業。
その後軽めに食事をしてから彼女を送り出し、僕は別の居酒屋で友達と飲んでいた。
すると途中で彼女から連絡が入り、A君と一緒に合流してきた。
A君は僕らのテーブルに来るなり「結婚してんじゃん!結婚してんじゃん!」と2回も言った。
どうやら彼女が正直に話したようだ。
よっぽどショックだったんだろうなぁ・・・。

彼には気の毒だけど、これで不安の種がなくなって僕も一安心…と思いきや、先日二人だけでちょっとした催し物を見に行くことになったという報告があった。

A君、諦めきれていないようだな。

彼女にしてみれば仲の良い友達が増えたのが嬉しいのだろう。
災い転じて…ってところか。
彼女はそういう絆を強く求める傾向がある。

ただ、僕にしてみれば、旦那というボスの他にA君という中ボスが現れたようで、なんとも複雑な気持ち。
これ以外にもいろいろと敵が多いのに。
世間体とか両家の親族とか彼女の友達とか彼女の会社とか…考えただけで憂欝になる。
いつまでたっても障害は多くなるばかり。
身も心も休まる暇がない…。

唯一のやすらぎは、彼女と二人きりの時だけ。
二人の時間をもっと大切に過ごそうと思う。